「老夫婦からの老後資金相談と思いきや」実は「再婚された老夫婦の重いしがらみ」!! 」

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6月に入ったと思ったら台風6号の直撃。日本列島各地で線状降水帯の影響が出ており、これからどのくらい被害が出るのか不安になりますね。皆様、くれぐれもお気をつけください。

さて、今日のお話は「老夫婦からの老後資金相談」です。 一見、何とも平凡なご相談のようですが、実は「再婚された老夫婦の重いしがらみ」に遭遇した事例でした。

Mさんご夫婦は、それぞれ離婚歴があり、双方に連れ子がいらっしゃいます。ご主人はすでに年金受給中、奥様は未受給で、現在は現役で働かれています。そんなお二人の心配事は、「今の蓄えと年金だけで、これからの老後生活を送れるか?」という不安でした。

秘密保持契約書などの書類を取り交わした後、詳しくお話をお聞きしました。

現状の家計と資産の「見える化」

ご主人は定年後、働かずにのんびり暮らしていたそうですが、この2年で思いのほか蓄えが減ってしまい、老後が心配になってお二人で相談に来られたとのこと。お話を伺いながら、年間・月間の収支と、資産・負債の状況をザックリとまとめました。

  • ご主人:68歳(年金受給中)
  • 奥様:62歳(現役会社員・年金未受給)
  • 住宅ローン:奥様名義であと18年(80歳まで)の返済が残っている
  • 毎月の返済額:管理費等を含め約11万円(賃貸の家賃と比べても遜色ない額ですが、変動金利のため今後の金利上昇を気にされています)

返済については、奥様が65歳までは給与収入があるので問題ありません。しかし、4年後に奥様が65歳になるとお二人とも年金収入だけになるため、そこからの返済に強い不安を抱えていらっしゃいます。 一方で、現在の蓄えは約2,000万円。2019年に話題になった「老後2,000万円問題」を彷彿とさせるご相談になりました。

今は健康面での心配はありませんが、年齢を重ねて病気や入院をされると、「高額療養費制度(医療費の自己負担を一定額に抑える国などの制度)」があるとはいえ、その負担はバカになりません。がん保険や医療保険に加入していても、それらはあくまで差額ベッド代などを補填するものであり、入院に伴う諸々の費用を賄うには足りないことが多いのです。特に歳を重ねてからの「おむつ代」や「尿取りパッド代」、あるいは「ヘルパー費用」などを勘案すると、結構な金額になってきます。

問題の整理とアドバイス

一通りお話をお聞きした後、まずは現状の問題を整理しました。

① 月間・年間収支が理解できたことを確認 ② 資産・負債額が確認できたことを確認 ③ 65歳からの受給年金額を確認 ④ 65歳以降の生活(キャッシュフロー)がどうなるかは現時点で不明 ⑤ 65歳以降、貯蓄約2,000万円で生活できるかどうかも現時点で不明

これらを踏まえ、まずはザックリとしたキャッシュフロー表(将来のお金の推移表)を添付した「相談結果報告書」を作成し、送付することをお約束しました。

また、⑥の住宅ローンの金利上昇リスクについては、今後の推移が読めないため、「奥様の収入があるうちは現状のまま返済し、それ以降は年金受給額から逆算するか、あるいは繰り上げ返済等も活用して毎月の返済額を決めていきましょう」とご説明し、改めて時期を見て相談に来ていただくようお伝えしました。

資産運用のステップと「選ぶポイント」

その後、資産運用の質問になり、「普通預金に置いてある約2,000万円を運用したい」というお話になりました。お二人のご年齢を考慮し、税金がかからない「NISA(少額投資非課税制度)」の成長投資枠を活用した運用をご提案しました。

年齢的なバランスを考え、ポートフォリオ(資産の組み合わせ)は「安全資産 65%:リスク資産 35%」とし、黒板に図を書いて説明しました。

具体的には、2,000万円 × 35% = 700万円を成長投資枠で運用するご提案です。「物価上昇率 2%」を税引き後の利回りで上回ることを目標にすること、そして、金融機関はお二人がこれから勉強しながらでも「使いやすい」ところを選ぶようにお話ししました。

投資信託を選ぶポイントとして、以下の4点をお伝えしています。

  1. 期中の運用実績:基準価額と騰落率(とうらくりつ・値上がり値下がりの割合)を見ること
  2. ベンチマークとの比較:目標(インデックスなど)に対して勝てているかを見ること
  3. 1万口当たりの費用明細:信託報酬だけでなく、隠れたコストがないかを見ること
  4. 組入上位10銘柄:どんな企業に投資しているかを確認すること

突然突きつけられた「相続」の壁

こんなお話をしている途中で、奥様から唐突に「相続について教えてください」と質問がありました。そこで、黒板に「相続関係図」を書いて説明を始めました。

すると、奥様からこんな質問が飛び出したのです。 「私の息子たちに、夫の相続権はないの?」

私はありのままを答えました。 「ご主人の『養子(ようし)』にしない限り、相続権はありません」

その瞬間、奥様は「固まって」しまい、しばらく沈黙が流れました。 結婚して籍を入れても、連れ子は法律上の「実子」にはならないため、ご主人の遺産を引き継ぐ権利(法定相続権)はないのです。

しばらく経って、奥様は「そう……」と一言だけつぶやき、その日は帰宅されることになりました。

何とも後味の悪い相談になってしまいましたが、翌日、奥様から「もう一度相談に行きたい」とメールがあり、近々2回目のご相談を受けることになりました。どうやら、本当の課題はここからが本番のようです。

今日はここまで。

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